0は優しい
態度は冷たいけれど。皮肉しか言わないけど。悪態つくけど。生意気だけど。
心が優しい。それがわかる
相手のことを思いやれて勘がよくて
大事な時はちゃんとその優しさを表現できる
精密に出来ていて、優しくてデリケートで繊細
だから0につりあう人間は
0のことを一番に大切にしてあげられる人じゃないといけない
だから9のように家庭のある人間は
もともと必要以上に0の近くにいる資格はないんだ
そんな人間がゼロに近づくことは0を辱めることになる
9のような人間は0に近づいたりしちゃいけない・・・
指をくわえて見ているだけにすべし
いつでもどこでも堂々と0を一番優位に立たせてあげられる人間
そーゆー人間をきっと0も求めてる
やめないでって言いたい
私は探していたんだ0のことを
お店に張り紙を出して求人をしたのは9
その張り紙を見て
自分でも理由のわからぬまま
0が舞い込んできた
それは私に呼ばれたんだと思う
0は9に出会うためにここに呼ばれた
そんな気がする
ゆるされるなら9が0を幸せにしたい
0のわがままを聞いて よしよしできたらいいのにといつも思う
仮に年齢が近かったとしたら
9が0を幸せに出来る可能性はあったのだろーか
家庭も持っていなかったら…
口説きたい
でも問題はそこだけなんだろうか
そもそも性格からしてぜーんぜん脈ナシだったりなんかしたら・・笑える
しかしこんなふうに巡り会った今でも
9が0に許されていることだってあるんだから
出来ることをしてみればいい
年齢とか立場のせいにして行動することから逃げるよりは
たとえ恥かきながらでも許されることをしてみる
めーいっぱい手を伸ばして
だってせっかく同じ時代を生きてるんだから
そしてせっかく出会ったんだから
でもきっと0には、そんなのはた迷惑・・・
「ほんとに僕のこと思うんだったら何もしなくていいです
静かにしていてください」って言われちゃう
それは・・・仕方ないか
0は悪くない
無視されるか
嫌いですあっちいってくださいって言って逃げたりもされずに
話し相手になってくれているこの状況だけでも
奇跡なんだから
これは神様から出された難題としか思えない
そうじゃなかったらこんな人が何の意味もなく
突然ボッと私の前に現れるはずがない
私はこの挑戦を受けてたたなければならない
この物語はフィクションです。