籠の鳥 ブログ

これは鳥かごから脱出するための日常の、あるコトないコトをつづった妄想日記である。

曇天日和

曇天日和


コレは

とあるお花屋さんの日常の

あるコトないコトをつづったものである


7月6日

雨が降っているそんなところで0は1人で鉢を片付けていた

お店が、罰金は半分もつよって言ったら

0、自分が悪いんすから全部払いますよ

って言ったんだね。そしたらお店からは

あ そお?じゃ、そういうことで!ってなっちゃったんだ・・・

いやいや0のその気持ちだけで充分だよぉ。お店の電話 業務で取ってくれてたんだからこっちで持つからいいよ

ってな運びにはならなかったんだね・・

お店ずるい・・

そしてそれでいいなんて

おぬしも清々しいやつよのう0屋

9は0に傘をさしかけながら自分も1つ大きな鉢を持って片付け始めた

0はさしかけられた傘にも気づかぬ様子で黙々と鉢を片付けていってる

0にはそういうところがある。さりげなく すがすがしい

いい人アピールなんてこれっぽっちもしないで陰でいさぎよくも正しいことをやってのける

これが配達中の車でお店からの電話を取った時、運悪くおまわりさんに見つかって切符を切られた時の0の話


それから9の話もある

以前9が誤って15,000円位の胡蝶蘭の鉢を落として割ってしまった時のこと

9はお給料から弁償しますとすかさず申し出て謝ったことがある

その時 お店はその気持ちだけで充分だよと言って9から鉢の代償を取ったりはしなかったけれど

こんなふうに自分の犯してしまった過失に対しての償いの気持ちのやりとりをするという意味で

9も0同様こういった申し出は大切なのではないかと思うのだ


けれどいつだったか同じバイトのKが、配達先で受け取った集金のお金をどこかで落としてきたことがある

確か17,000円位の大金だった

その時Kはどんな責任の取り方をしただろうか

まず謝った。そして自分は絶対に取ったりしてないと主張していた。

だからその時、先輩だった9はKに、こういう時はたとえ儀礼的にでも

弁償しましょうかと申し出てみたりするべきなのでは?と諭してみた

しかしKはそんなことは受け入れなかった。それでおしまい

あの時お店側は、せっかく大口の集金だったのに・・・と言ってとても残念そうだったのを覚えている


Kは自分の過失でお店に金銭的な迷惑をかけたのに大人がごめんなさいだけでいいと思ってるのか

実際の責任は問われなかったとしても気持ちを表す事は大切だろう

同じ年頃のバイトちゃん同士でも人が違うとこんなにも人格に差があるものか

だからKには何となくずるいイメージがつきまとう

0ってやつは人にいい顔は絶対しない。だけど陰で良いことをさらりとする。当然の顔をして。


この日0は一日めちゃくちゃテンション低かった

あす、あさって大学のテストなんだって

9が何を話しかけてもいつもの調子が出ない

天気は雨

遠いお家からバスと電車に乗って出てこないといけない

しかも最近 絶不調

その責任の一端は9にあるんじゃないかと9は密かに思っている

9が直接0に何かしたわけではないけれど

9が0につきまとっていること自体が罪だとか・・・

0が空を仰いで天国に行きたいとつぶやけば、それは全て自分の罪のような気がしてくる


この物語はフィクションです。登場する人物団体は架空のものです。