籠の鳥 ブログ

これは鳥かごから脱出するための日常の、あるコトないコトをつづった妄想日記である。

9がお腹をすかせたら



9がお腹を空かせてたら

さり気なく0が海苔巻き買ってくれた

そんなことなかなかできることじゃない

その心構えがすごい

あんなふうに0はいつも悪態ばかりついてはいるけど

0からは好意しか感じない

Kからは悪意を感じるけど・・


0は9が作った餌を食べてくれる

どんなものでもおいしいって言ってくれる

いつもかちこちの冷凍ご飯ばっかりで申し訳ない

本当は目の前で作ったほっかほっかを食べてもらいたい


こっちが球を投げるといつも面白い球にして投げ返してくれる

0とのキャッチボールに熱中した二年間

9の孤独な心がじんわり満たされだしたころ

0がとんでもないことを言い出した

お店、もうすぐ辞める


9そーいうこと言われると頭クラクラしてきちゃうんだから

泣かせたいの?!

9そーいうこと言われると不安で吐きそーになっちゃうんだから

オモシロがらないで・・


0がお店を辞めるっていう事は、9にとってこの世から0がいなくなるのとほぼ同じ意味を表す

お店で一緒に仕事する以外、外で会う理由が2人にはないからだ

正確には9には外で会う理由があっても

0にとっては仕事でもないのに9にわざわざ外で会う理由はないだろうからだ

このまま永遠にさようならでも0はこれっぽっちも困らないだろう

しかし9は違う

親を失う前の不安な気持ちとは、きっとこういうものだろうと想像できるような

取り乱した気持ちで具合が悪くなる

余命半年と告げられたのと一緒だ

もうできるだけのことを何でもする

余力なんか残さない

0を楽しませたい