籠の鳥 ブログ

これは鳥かごから脱出するための日常の、あるコトないコトをつづった妄想日記である。

黒歴史


9の秘密の部屋で

怖いもの見たい?

これ9の秘密の部屋の鍵

スッ


9が0に出会う前のプロローグ


9の黒歴史 其ノ一

9には人からの好意を真に受ける癖がある

いつだったか結婚すると思ってつきあっていた人が

全然別の相手の名前を書いた婚姻届を提出してきた

その結婚に関する一切合切の手続きをするのが9の職場での業務だった

昨日まで9がその人と結婚するとばかり思っていた9は

体壊した

それが9の黒歴史

痛い経験が心と体に刻まれて

おかしなコンプレックスになった

どういう好意が建て前で、どういう好意が本物なのか

見分けがつけられない・・

それでも少し賢くなったのは

去っていく人の匂い・・

匂いがわかるようになった

その匂いがすると吐きそうになるようになった

体が覚えている感覚


黒歴史 其ノ二

9には幼なじみがいた。小学校5年生の時からの。

あまり話したことがなかったけど

とにかく心の中に棲みついたその人が

年を追うごとに無視の出来ない存在になっていった

とうとうたまりかねた9は行動を起こすことにした

27年ぶりのクラス会を計画してその人を探し出す

その企ては入念かつ大胆に行われた

かくしてその人物は発見された

すると驚いたことにその人物は9と同じく27年間ずっと

心の中に9を棲みつかせたまま生きてきたと言うのだ

しかもそれなのに9同様

妻子持ち

9も9だが相手も相手だ

その時9の中で何かが壊れた

いくつもいくつも壊れた

屋台骨も縁の下も屋根も

全部壊れた

壊滅状態

これまでの価値観信じていたものの考え方

そういったものは跡形もなくなり代わりに新しい景色が見えた

今までのものは全部おもちゃ

これからが本物だ

そう感じた

それから9は変わった。変わってしまった

外側にまとっている肉体は変わっていないけど内面が全く別の人

その変化にちゃんと気づいたのは子供

Dは全く気づかない

Dは心のないサイボーグみたいな人

妻の肉体がそこにあればそれはその人だと認識する

ただそれだけ

そんな奴にはハリボテでも与えておけば充分だ

覚醒してしまった9はもう誰も止められない

9だって命がけで9を生きる。ただそれだけ。

それがこれまでの反省であり課題だからだ

あの時クラス会をやらなかったら明らかに変わっていなかった人生

そのことで学んだ事は

待ってるだけでは何年待っても期待するようなことは何も起こらない

思い切って行動を起こしてみると思いのほか実現するものだ

行動は起こしたもの勝ちだ

起こした分だけ実現する

間違った方向にはどうあがいても転がっていかないものだから

物事がうまく転がっていくと言う事はその道が正しいからだ

そうやって自分の人生のトビラの蹴破り方を身に付けていった

扉は蹴破れば蹴破るほどそこには新しい景色が広がっていた

人が作った社会の形に惑わされることなく勇気を出して進め

そこで見極めたいのは物事の善悪だ

何が善で何が悪か

社会の規範からズレていても人として正しいこと

それをきちんと見極めて正しい道進め

代償は自分の命。人の命。家族の命。

それを守りながら進めば、それは正しい道。

以上

一番注意したのは世間に転がってるような不倫なんかと同じようなことは

せずに正統に思いを遂げる道を見つけること


そんな黒歴史なくして9 は0と出会わなかった

0は9の黒歴史の賜物だ

難産の末、産み落とされた卵

それが0だ

9はその卵を大切に温めた。二年近く。

0のことが可愛くないはずがない

まさに目の中に入れても痛くない可愛さ

トシとってからできた子は格別に可愛いってまさにこのこと

でもまぁ親の心 子知らず

子にとって親からの愛情なんて鬱陶しい以外の何物でもない・・んだよね?

たぶん

でもね鬱陶しいついでにもう一つ

今の話って誰も知らない

当たり前だけど親も知らない。子も知らない。友達はいない。誰も知らない話

こんな話を何で0にするか知ってる?

それは0がこういう話、多く読んでそうな人だから

最初に目をつけたのはそこ

9 は0のその知性に目をつけた

9は話したかったんだこのことを

誰かに知ってもらいたかった

Dに話そうとしたけれど全くダメだった

受容体ができてないみたい

0 には物語じゃない実話も楽しんで読んでもらえそうだったから。

ずっと探してた。このことを話せそうな人を。

聞いてもらえるかは、わからないけれど・・・

ここまでたどり着いたのなら0よ

知らせて欲しい

こんなふうに火をたいて、今日も来ぬ人を待ってる

9は0の気持ちが知りたい