籠の鳥 ブログ

これは鳥かごから脱出するための日常の、あるコトないコトをつづった妄想日記である。

私だって人間と 人間みたいな話がしたい


9はいつも

0の棲んでいる世界目指して飛んでるけど

Dは棲んでる世界というものを持たない

違った人種

空っぽのうつろ

だから段ボールって呼んでるの

DのDはダンボールのD


Dの棲んでる世界を見ようとして

探したけど、聞いたけど、やっぱりない

持ってない そういう概念 ない

空恐ろしかった 淋しかった

このままこういう人に寄り添っていくのが

残された自分の人生か

私だって人間と 人間みたいな話がしたい

共有できる世界がない人と

死に別れるまで一緒にいるしかないんだ

と思うと絶望した

何度も何度も歩み寄ろうとしたけれど

そのたびに私の善意は踏みにじられた

しかもDには全くその自覚がない

無意識なのだ

人知れず傷つくけどDは全く気がつかないで

笑ってる

空恐ろしかった


趣味もあわない 話もあわない

食べ物もあわない 価値観もあわない

子育ての仕方もあわない 生理的に嫌い

一緒にいると楽しくない 落ち着かない

考え方とか軽蔑してるところなら色々ある

Dはお金が全ての価値判断の基準

男はお金だけ稼げばいいと思ってる

妻の9も基本 仕事を口実に家を出ることしか

できない

金銭至上主義のDにとっては

妻が働くということは

推奨されるべきことだからだ

Dの飯炊き要員として生かされている


子育て期間中の休日は

聞いたこともないような戦争映画ばかり

幼い我が子 無視してずっと見てた

それもストーリーが特になくて

ずっと銃声と悲鳴だけが鳴り響いてるやつ



一方通行な愛情表現しか知らない

子供と戯れてくれた事はなかった

9の産んだ子供を可愛がってくれない

Dの子なのに

可愛がってるつもりみたいだけど

子供いやがってる

子供が2人ともDのことが大嫌い

etc. etc・・・


共通してあるのは

Dのことを好きだと思ってたのは

勘違いだったと悟るまえの数年間にある

楽しかった思い出と

間に子供がいることくらい

今はもう

同じ時間を共有するのが苦痛で

同じ空間にいるのが苦痛だ


どーしてこんな風になったかと思うが

心当たりならある

まず出会って3ヶ月で

結婚の申し込みを受けてしまったのが

9の間違い

それからDの母親のことが

9は大嫌いということ

金銭至上主義なやり方

銭の威力で人の上に物言う言い方

全部嫌いだ

そしてよくも

Dをこんな風に育てたものだと

恨みがましく思う

愛情不足で育った反動で

ある種のマザーコンプレックスのD

無意識下で母親のものの考え方、やり方

言うことが見事に刷り込まれて

出来上がっているDのことを

9は嫌い


Dの気配に悪寒がはしる

9は逃げたい 逃げたい Dから逃げたい

Dの鳥かごから逃げたい



このお話はノンフィクションです。